7月29日・30日は上村なおかさんを迎えてのワークショップが開催されました。上村なおかさんによるM・L・Iでのワークショップは今回が2度目。昨年受講したメンバーも今年初めてのメンバーも今回のWSを心待ちにしていました。そして、ついにワークショップ一日目がスタート。
床に寝転び、自分の体を感じながら、気持ちがいいところで好きなように動くと全身がゆるゆるとほぐれていきます。立ち上がりたくなったら、立ち上がり、声を出したくなったら出す。犬の遠吠えのように体の伸びを使って声を出すと、空気の振動が体の中で響くのがわかります。
全身が軽くほぐれたところで、パーツごとのほぐしに。パーツごととはいえ、その部位に意識を向けながら、そこがどう全身に繫がっているのかを感じながら動かしていきます。骨盤・仙骨の動きを背骨に伝えることで動きが生まれ、肋骨が大きく開き、胸骨が柔軟性を帯びてくるにつれて体の可動域はどんどん広がっていきました。ほぐれた状態で立つと体は上にも下にも向かって伸び続け、足の裏と床が一体になっている、まるで地面からの続きに自分の体が生えている感覚でした。安定した大地にしっかりと立ち、上へ上への伸びていく感覚。自分の体がどう動いているのか。どう動かすと一番大きく動くのか。ワークショップ中「動いている自分の体に新しい発見が次々ある」となおかさんがおっしゃられていたことが、とても印象的でした。動くところを見つけるのではなく、動かないところを見つけてそこをどう動かすか発見していく。自らの体を細部まで読み込んでいく楽しさを改めて感じる時間でした。
後半は振付を踊ることにも挑戦しました。なんとなく動けてしまっている体では何も伝わるものがない。例えば曲に合わせて踊る時に、何となくカウントに合っているというような曲に踊らされる状態陥ってしまうことがあります。自分の体を知ることで、体格差などによるズレを自ら気づきなくしていく。振りを踊ることに対して、強い意識と体への執着を持って臨むことの大切さを伝えていただきました。最後は全員で振りを踊り、一日目はあっという間に終了となりました。
ワークショップ二日目。今日も体をほぐしていくところからスタート。骨盤・仙骨から背骨へのつながり、肋骨の広がりなどを意識しながら胸骨・鎖骨の可動域を一日目とは違うアプローチでさらに深めていきます。二人組みになり一人は四つ這いに、もう一人がガイド役となり、実際に動かし、そして目で見ることで胸骨の動きを体感。ガイド役が尾てい骨から背骨をつたうように触っていき、触られている方はそこを意識しながら動かしていきます。(四つ這いでお臍を上下に持ち上げるように背骨を動かす。首は無理に曲げたりせずに、背骨の延長線上に置くように意識します。)さらに胸骨をぐぐぐっと引き出す方法を実践。四つ這いの状態で骨盤から背骨を一つずつ丸めていきます。丸まったところで、さらにガイド役は相手のみぞおちにぐっと指を入れて上へと引き上げ、続いて胸骨も同様に下から突き上げるように誘導します。今度は逆に骨盤から尾骶骨をそらしていき、背骨と胸骨を両方の手を使い挟むようにしてぐぐっと引き出すと、まるで亀が甲羅の中から首を伸ばすような感じで胸から首筋が伸びます。体の前面と背面を大きな面で捉え、伸ばしていくことでその広がりをダイナミックに感じることができました。その感じを生かしながらブリッジ・倒立を行うと、腕や足の力ではなく、全身に繋がる体の前面・背面の伸びを意識することで、いつもとは違う感覚で楽に動くことができました。その後も、その感覚を使いながら様々な動きを行い、いつもの使い方・意識を変えることで、同じ動きに対する感覚の違いを全員で楽しみながら発見・体感していき二日間のワークショップはあっという間に終わりを迎えました。
動く体を味わい楽しみ、常に新しい発見を求めていくことを伝えていただいた今回のワークショップ。なおかさん、本当にありがとうございました。(田中麻美)
ワークショップ1日目。骨盤・背骨・胸骨などパーツごとにしっかり意識を持ちながら柔軟性を高めていきます。
ワークショップ二日目。様々な動きを通して体を楽しんでいます。
なおかさんによる振付を全員で。
ワークショップ終了。なおかさん、ありがとうございました。この後はさらなる楽しみ、solos...Vol.2 上村なおか Uemura Naoka solo dance 2016「solo」へ。
公演の模様はWorks-M公式サイトhttp://worksmlabo.wix.com/works-m#!blank-13/qhwqxからご覧いただけます。
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