4月17日(金)、18日(土)、講師招聘によるワークショップが開催され、第1回目となる今回のワークショップの講師は笠井瑞丈氏でした。
ワークショップ1日目はフロアーワークを中心に、身体の軸となる体幹、骨盤〜脊柱にかけての柔軟性、動きの連動性、身体の中心から肢体への動きの広がりやまたその逆等を丁寧に実践していきました。ダンサーはそれぞれ、身体のどこがどのように動くのか、身体に意識を向け、身体感覚を探りつつ、瑞丈さんも個々のダンサーの身体を丁寧に観察し、身体的特徴を捉えながら、指導してくれました。
ワークショップ2日目はイメージから身体を動かすこと、ことばから生まれるイメージや身体感覚、それによって生み出されていく動きを模索して行きました。「からだの中に取り込まれたボール(球)を動かす、またはそのボールが動いている」というイメージが、ダンサーそれぞれに独自の身体感覚を生み、そこから起こされた動きによって身体感覚を深めていきました。さらに、そのボールの大きさ、重さ、熱、ボールを動かす速度を変化させるというイメージの変化により、変容していく身体感覚や動きを模索していきました。
ワークショップの最終段階で行われた瑞丈さんによる振付では、動きそのものの振付けや「ボールを動かす」イメージから起こる動きなどで構成され、5分程度の小作品になりました。瑞丈さんから与えられた動きのイメージ「大きな岩から瞬間的にその造形が彫刻されるように」というような硬質な動きや、フロアーでの流動的な動き、また「ボールを動かす」イメージから起こる個々のダンサー独自の動き、表現など、この2日間で模索し、体得したことが全て盛り込まれました。
瑞丈さんの持つ「目に見えているもの以上の大きなエネルギー」に影響を受けながら、身体を探究した2日間。瑞丈さんの身体へのアプローチを体験し、ダンサーそれぞれに身体に対する意識、身体感覚に新たな気づきのある充実したワークショップとなりました。
笠井瑞丈プロフィール
1975年東京生まれ、幼少時代をドイツで過ごす。笠井叡に舞踏を、山崎広太にダンスを師事。様々なスタイルのダンスをエッセンスに取り入れながら独自の世界観をもつ作品を国内外で発表し、自作のソロダンスだけではなく、デュオやグループ作品の振付や他の振付家の作品への出演も積極的に行っている。平成20年度文化庁新進芸術家海外留学研修員として、09年ニューヨークで研修。10年横浜Solo×Duo<Competition>プラス・審査員特別賞受賞。
コメントをお書きください